■7日目…4月4日(月)…その8
プラハ
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プラハ城、聖ヴィート大聖堂の次はGの旧王宮に入ります。
・Starý královský palác (スタリー・クラーロフスキー・パラーツ) 旧王宮
14世紀、神聖ローマ皇帝カール4世(=ボヘミア国王カレル1世)が首都をプラハと定めた時にプラハ城は宮廷となり、この王宮が政治の中心となりました。
ルドルフ2世もプラハ城を神聖ローマ帝国皇帝の居城としました。
しかしルドルフ2世以降の皇帝は、ウィーンに宮廷を移したため、プラハ城は宮廷としての機能を失ってしまいました。
時代は下り、1918年にチェコスロヴァキアが成立すると、初代大統領のトマーシュ・マサリクはこのプラハ城を大統領官邸として改装しました。
この旧王宮の奥には、プラハ窓外投擲事件が起きたルドヴィーク翼部があります。
さっそく旧王宮に入ってみます。
・Vladislavský sál (ヴラディスラフスキー・サール) ヴラディスラフホール
まず圧倒されるのがこの巨大なホールです。
幅16m、高さ13m、奥行62mあり、1500年頃にボヘミア王ヴラディスラフ・ヤゲロンスキー(=ウラースロー2世)の命で、王宮大改築の際に建設され、完成当時ヨーロッパ最大の大広間でした。
目を引くのが、梁が肋骨(ろっこつ)のような模様になっているアーチ型の天井。
う~ん・・・。
個人的な感想としては・・・計算し尽くして造ったんでしょうけど、私の頭ではこの模様の緻密さと規則性が理解できず・・・むしろグロテスクに感じてしまうのです・・・。(´・ω・`)
床は板張りになっていますが、当時は石が敷かれていたそうで、寒々しいホールだったのかもしれません・・・。
中世の時代、王の戴冠式や披露宴、晩餐会などの国家的行事の他に、商人たちの商取引の場としても使われていました。
騎士の馬上競技場としても使われていたそうで、騎士は重い甲冑を身に着けた状態で馬に飛び乗ることができず、王や賓客たちの前で人に乗せてもらうというみっともないこともできないので、外(中庭)で馬に乗ってこのホールに入場したそうです。
ホールから外に繋がる回廊は、馬が通れるように幅が広く、段差の低い階段になっています。
↓ヴラディスラフホールを横切り、南にせり出したルドヴィーク翼部に向かいます。
↓中世時代のものとおぼしきテーブルとイスが置かれています。
↓緑色のこれは陶器製のストーブで、壁の向こう側にある穴から薪をくべます。
↓古い建物で傷みが目立ちますが、寄木細工の美しいドアもありました。
◆第二次プラハ窓外投擲事件(そうがいとうてきじけん) - 1618年
1609年、皇帝ルドルフ2世は「皇帝勅書」で信仰の自由を認めましたが、次の皇帝マティアス(ルドルフ2世の弟)は、プロテスタントの権利の制限に転じました。
1617年、熱烈なカトリック教徒で対プロテスタント強硬派として知られていたハプスブルク家のフェルディナント(マティアスの息子、後の神聖ローマ皇帝フェルディナント2世)がボヘミア王に即位し、プロテスタントを迫害する政策を実行しようとしました。
これに反対するプロテスタントのボヘミア貴族や国民はフェルディナントを王と認めず、1618年5月23日、プラハ城に押しかけ、この部屋の左の窓から、 国王顧問官のヴィレーム・フルム・スラヴァタ伯爵とヤロスラス・ボジタ・マルティニッツ伯爵、そして書記官のフィリプ・ファブリチョを投げ落としました。
さいわい窓の下は藁の混じった堆肥(よーするに糞)が山になっていたため、それがクッションとなり、落とされた三人は軽傷で済みましたが、カトリック派とプロテスタント派の対立は収まらず、中央ヨーロッパ全土を巻き込んだ30年戦争へと繋がっていきました。
↓この窓から投げ落としたそうな・・・。
↓プラハ窓外投擲事件の説明
↓その窓から見た景色
ルドヴィーク翼部から先ほどのヴラディスラフホールに戻り、他の部屋も見て回ります。
・Kostel Všech svatých (コステル・フシェフ・スヴァティーフ) 全聖人礼拝堂
↓反対側の壁にはパイプオルガンがあります。
・Stará sněmovna (スタラー・スニェモヴナ) 旧議会場
中世の時代、司法機関、裁判所として使われていました。
・Místnost Nových zemských desk (ミーストノスト・ノビーフ・ゼムスキーフ・デスク) 新登記の間
天井に何やらたくさんの紋章が描かれているこの部屋は、公文書保管室に使われていました。
不動産譲渡・売買に関する公文書や地方裁判所の決定事項などの記録簿などが保管されており、天井には1561年から1774年までの公文書管理官を務めた家の紋章が描かれています。
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